「…きゃ」 彼女はあぶなっかしくて。 見ていないと心配で。 またつまづかないように手を差し出す。 多分、高いヒールなんて普段は履かないんだろう(笑) かわいい。 こんな穏やかな気持ちは久しぶりだ。 差し出したのは自分なのに、彼女の手が俺に触れた途端、 心臓が一気にその手に集中する。 俺はガキかよ…(笑) こんなに緊張している自分を見透かされないよう必死で冷静を装う。 彼女の手は 俺の手にすっぽり包まれて。 少し近付けた気がした。 そう思ったのは 俺だけなのか…?