おともだち

 本当に?私が?

 いつも恋をした時どうだっただろうか。一緒にいたい。会ってもまた直ぐに会いたくなる。会社じゃなくてプライベートの栄司に会いたくて、話したくて、触れたくて、それなのに変化が怖くて進めずにいる。失うものなんてないはずなのに、何が怖いんだろう。

 もう二度と、二人で会えなくなることだ。

「私、栄司のことが好きなの? でも、この前恋人がいる生活がしんどくてこの関係を選んだのに……」
「だから、単に性格が合わなかったか、そこまで好きじゃなかったんだよ。今の、その栄司くん? はあんまり恋愛に依存するタイプじゃないんじゃない? 自分軸というか、恋愛も楽しむけど、他も楽しむって感じで。現に向こうから誘ってこない。程よく追わせるタイプなんじゃない」
「まだ栄司の性格はそこまでわかんないけど、そんな感じはするかも。それか、私がそういうのしんどくて恋人と向いてないって言ったのを汲んでくれてるのか」
「ああ。汲んでくれてるとしたら、だいぶ多江の事好きじゃん。だって、わざわざセフレに色々気つかうのメンドイじゃん。聞いたところ別に女に苦労してる人じゃないんでしょ」
「確かに……そう」
「もう付き合っちゃいなよ。悩むのはそっからで、向こうも多江の事理解しようとしてくれてるし、多江も過去は過去で、元カレとは違う人なんだからさ、好きならある程度の努力が必要! あとは二人でいい距離感探していけたらいいんじゃない。合うんじゃない? 多江と。程よく追わせてくれるタイプ。だって多江はほっとかれるのは嫌だけど、ガンガン構われるのも嫌。ゆる追いがベストじゃない」
「追い……。そ……っか」

 私はまだ自分が栄司を好きなのかってことに驚いていた。驚いているだけで、それを否定する気持ちは無かった。自覚を促されて戸惑っているだけだ。ああ、何か、そっか。そういうことか。

 栄司は、どう思っているんだろう。まだ私に気持ちがあるのか、それとも、もう私とはこれ以上の関係は求めていないのか。
 このまま3か月の約束の日を待って、更新の日に話し合ったらいいんだろうか。話しあいというか、私の告白になるんだけど……。