おともだち

 週末が1日埋まった。

 毎週ではないし、これは私が会いたくて決めた日だから。
 取り付けた約束に、誰にでもない言い訳をし、私は週末を楽しみにしていた。それがセフレに対する感情なのかはわからない。何にせよ、宮沢くんに対しての感情であるのは確かだ。

 そうだよ、気軽な関係で、私に決定権があるのだから、私が会いたい時に会っていいんだ。何度となく関係性の確認を繰り返す。これでいいのだと。

 私が会いたくて決めていい。会いたくて――私、宮沢くんに会いたいってこと。いや、本当はこの前の平日に会いたかったんだけど、平日だとこの前みたいに帰らなきゃならないし、土曜日なら時間はたっぷりあるし、もし遅くなっても泊まれるかなって、週末まで我慢して……、我慢……。

 私は自分の思考にハッとした。
 会いたい?したいじゃなくて?私って、寂しいのかな今……。短い時間じゃ物足りないくらい誰かに隣にいて欲しいのだろうか。

 土曜日の約束は、宮沢くんから提案があった。
 だけど、私から誘ったので宮沢くんからの呼び出しではない。彼からの2回には応じるつもりだけど、一体どういう時に使われるのだろうか。
 
 ともあれ彼からの提案は午前中からの誘いで、さすがにセックスするだけじゃあ1日を使わないよね?TLじゃああるまいし。出てきそうなくらいに完璧な人ではあるけど。

 一人暮らしなのをいいことに緩む顔をそのままに、私は彼のメッセージに
『楽しみにしてるね』と返信した。

 今度こそ、()()よね。私はわくわくする気持ちで胸を抑えた。これは、きっと好奇心だ。あの宮沢くんがいったいどんなキスをして、どんなセックスをするのか。それが楽しみなんだと思う。