昼休憩を終え、栄司に声をかけるタイミングも無さそうだった。就業時間が終わったら、メッセージを送ろう。夜だと遅いかもしれない。出来るだけ、早く――。
ところが、定時を過ぎたくらい、栄司から声をかけられた。すでに顔に出てしまうくらい動揺してしまった。いいじゃないの、いつも通り誘えば。
「久しぶり、だな」
「そうだね。ごめんね。先週ちょっと体調崩してて」
何となく、栄司の言葉もとげがあるような気がして、先週のことを謝罪する。栄司はスッと私の背中を押し、人気のない方へと促す。
「もう、治ったんだ? 」
心配してくれたのだとわかると、いくらか安堵するものの、栄司といることに緊張する。
「ごめん、怖がらせるつもりじゃ……。大丈夫ならそれで」
熱を測ろうとする栄司にフリーズしてしまい、栄司は軽くため息を吐く。呆れられたのだと、ますます勇気が固まってしまう。言わなきゃ、誘わなきゃ。週末、会いたいって。
「なぁ、俺に言うことない? 」
「え、何? 」
言うこと?ある。好きだって。でも、栄司が求めるのはそうじゃないだろうし。この前理由もなくキャンセルしちゃったことだと思ったけど、たった今謝罪したとこで、じゃあ、何だろう……。呆れた顔の栄司が続ける。
「契約覚えてる? 2回だけ、俺の呼び出しにも応じてってやつ」
もちろん覚えている。いつも私からばかりで、栄司から誘ってくることはなかった。それが答えなのかと思ったこともあって。それをなぜ今言うのかもわからなかった。結局、『言うことない? 』って何なんだろう。
ところが、定時を過ぎたくらい、栄司から声をかけられた。すでに顔に出てしまうくらい動揺してしまった。いいじゃないの、いつも通り誘えば。
「久しぶり、だな」
「そうだね。ごめんね。先週ちょっと体調崩してて」
何となく、栄司の言葉もとげがあるような気がして、先週のことを謝罪する。栄司はスッと私の背中を押し、人気のない方へと促す。
「もう、治ったんだ? 」
心配してくれたのだとわかると、いくらか安堵するものの、栄司といることに緊張する。
「ごめん、怖がらせるつもりじゃ……。大丈夫ならそれで」
熱を測ろうとする栄司にフリーズしてしまい、栄司は軽くため息を吐く。呆れられたのだと、ますます勇気が固まってしまう。言わなきゃ、誘わなきゃ。週末、会いたいって。
「なぁ、俺に言うことない? 」
「え、何? 」
言うこと?ある。好きだって。でも、栄司が求めるのはそうじゃないだろうし。この前理由もなくキャンセルしちゃったことだと思ったけど、たった今謝罪したとこで、じゃあ、何だろう……。呆れた顔の栄司が続ける。
「契約覚えてる? 2回だけ、俺の呼び出しにも応じてってやつ」
もちろん覚えている。いつも私からばかりで、栄司から誘ってくることはなかった。それが答えなのかと思ったこともあって。それをなぜ今言うのかもわからなかった。結局、『言うことない? 』って何なんだろう。



