おともだち

「そうだよな、高校時代も……」

 まだ栄司の話題が続きそうで慌てて遮った。
 
「あ、そういえば! 加賀美くん、美羽(みう)ちゃんは元気? 」

 美羽ちゃんは加賀美くんがつき合っていた女の子で、私は仲良くはないけど面識があった。咄嗟とはいえ、彼女話を振っちゃうなんて。

「そっか。近況とか全然話してないもんな。美羽とは別れて、もう2年近くなるかな」
「そうなんだ。結構すぐ別れたんだ」
「……いや、大学で一年間。卒業して2年近く。で、3年ってとこかな。卒業してからは学生時代より密度は減るけどね」

 何で別れたの、なんて踏み込むのもどうかと無難に返す。
 
「あ、そっか。大学卒業して4年目だもんね」
「そう、早いよなー。大学の4年間と同じ年月が過ぎようとしてるんだから」
「あー、ほんとうだね」

 そこからちょっとした近況なんかを話した。お互いの知らない空白の時間、どうしてたのって。だけど、グループで真横にいた関係性でなかったためそう話は続かなかった。私が好きだったから印象に残ってるだけで。

 会話が途切れたタイミング、加賀美くんがこちらを見据えた。急に恥ずかしくなる。何だろう。

「どうかした? 」
「うん。昔、一回だけ仁科と二人で出かけたよなって、思い出して。あれって何でだったっけ。それで、なんであれは()()()()()()()()()()()()()()()()な」


 思い出話、ってやつだよね。……ただの。だけど、あの頃の感情を掘り起こされたみたいで動揺してしまう。あれは、何で二人で遊びに行くことになったんだっけ。