「2人は明日から朝何で行く気?

自転車?お母さんが送って行こうか?

谷津高まで、歩きはでも

大丈夫そうだけどねぇ~。」


急に、お母さんが

ペラペラと喋り出す。


「俺、歩いて行くわ。」


相変わらず、反応が早い。

トロ魔なあたしは会話に

追いつけない時がある。



「優子は?」



「……ん~…あたしも優輝と

歩いて行くわ。ダイエットになるし。」




いつもの仕返しに、と冗談混じりで

半笑いになりながら言った。



「…は?」


当然、優輝は不機嫌になった。


「う~ん…多分しんどいわよ?」


「大丈夫だよ。」


「何言ってんだ。

優子チャリで行けよ。」


「なんで?しんどいじゃん。

優輝が2ケツしてくれるの?」


「…なんでだよ…。」



とため息混じりに

優輝が呟いた。


「まあ一応、一台

自転車買うわね。」



「イヤ…ちょっと…」


優輝が、反論しようとする。


「良かったわ~。

これでガソリン代と

自転車1台分の

お金浮いたわぁ。」


「いやいや…お母…」

「優輝?家の為じゃん?」

「………」



久し振りに優輝の

唖然とした顔を見た。



心の中でケラケラ笑ってやった。

だけど、姉としては

心配な所もあったから

朝、一緒に行く事を選んだ。


今までケンカを売られても

優輝は相手にしなくて

あたしは散々相手に文句を

言っていたけど

もし優輝が一人で

行くようになったとき

ケンカを売られて

相手にしなくても、向こうが

勝手に襲ってくるかもしれない



…心配し過ぎかな。

少し、世話焼すぎたかもしれない