誰かの視線を感じる。
 
 見下ろすとビルの下には人が集まりはじめていた。
 
 無数の瞳があたしを見上げている。

 あたしは一定のペースを保ち確実に頂上に近づいている。
 
 ゴールへは意外と簡単に辿りついた。
 
 そこは、やはり山の頂上ではなく、古びたビルの屋上だった・・・