冬音はネット上に出回っているSの動画を可能な限り手に入れ、毎日食い入る様にそれをチェックしていた。
 
 単純にSの音に魅せられたのは確かだが、冬音はその音の中に潜む何かが気になった。
 
 知りたいと思った。
 
 しかし、何を知りたいのか冬音にはまだわからなかった……
 
 微かな違和感。
 
 それだけがたった一つのヒントだった。