彼はどんな話の最後にもいつも決まって 「まあ、日本人のお前にはわからないだろうけどさ」 と付けたした。 機嫌のいい時には片言の日本語で、そうじゃない時はスランギーなフランス語で。 それがあたしに対する彼の口癖だった。