☆ネット恋愛と音楽の物語☆Sepia Color Filter~セピア色の今~

 今思えば、彼の口からよく“S”という単語を聞いたような気がする。
 
 音楽マニアだった兄はよく興奮して、彼らの奏でる音楽がいかに素晴らしいかを語っていた。
 
 音楽なんてカラオケのレパートリーを増やす為だけに聴くものだと思っていた当時のあたしにとっては、まったく興味のない話だった。