☆ネット恋愛と音楽の物語☆Sepia Color Filter~セピア色の今~

 ギターリストが自分の前に設置されたマイクを蝋燭(ロウソク)の炎を風から守るように両手の平で包み込んでいた。

 煽(あお)るような声援があちこちから飛び交う。

 またいつものパフォーマンスだろうと喜ぶファンの声だ。

 ネットライブでも彼は時々イタズラにマイクを手に取り歌うフリをしてあたし達をからかった。

 しかし、観客達はいつもと何かが違う雰囲気を感じ取った。