欠落した何かを埋めるために危うい領域にまで突出したあの音。

 あたしの心に深く突き刺さったあの音。

 彼が捨てたくても捨て切れなかったものが厳然とまだあの音の中に存在する。
 
 あたし達は間違いなくあの音に救われた。
 
 彼は何に救われるのだろうか……