☆ネット恋愛と音楽の物語☆Sepia Color Filter~セピア色の今~

 「多分」と涼太は続ける。

 「放棄するには彼にセンスがありすぎたんだよ。
言葉を心に響かせる才能を神様が与えてしまったんだ。
それが本人にとっては邪魔でしかたなかった」
 
 涼太は窓の外に視線を移す。

 例の記憶を手繰(たぐ)る視線だ。