「なーんだ、あたしも意外とフツーの女の子なんじゃん」
　
　語尾の発音が不自然に上がって自分に対する問いかけみたいになった。
　
　
　みんなと一緒なんて嫌だった。
　
　特別じゃなくてもいい。

　ただ、あたしはあたしでいたかった。

　なのに今はみんなと同じその辺のただの高校生だという怠慢（たいまん）な安堵感（あんどかん）が心地いい。

　「うっそぴょ～ん」
　
　何か声に出さないとやばかった。　
　
　零れ落ちそうな涙を瞼（まぶた）でなんとか食い止めた。