やがて日が暮れ、あたし達は自転車で二人乗りをして家に帰る。

 まだ離れたくないあたしは遠回りをせがむ。
 
 彼は無言のままペダルを漕ぎ続けている。
 
 そのスピードがゆっくりであればあるほどあたしは安心する。
 
 彼もまだあたしと一緒にいたいのだ、と。