「冗談よ。
けど、Sを生で見れる日が来ると思うと純粋にワクワクするね」

「だろ?
奴らの前で、あの音の渦の中で、オーディエンスのダイブやモッシュが飛び交うんだぜ。
それも小さなライブハウスなんかじゃなくてスタジアム級のデカイハコを跳ねさせるんだ」
 
 あたし達はよだれを垂らしそうな顔でポカンと口を開けたまま、しばらく架空のSのライブに陶酔していた。