推しの歌い手さま~想像してたのと違うんだが…~




保護者の人が写真を撮ってくれて、カシャッというスマホのシャッター音と同時に、航太が穂香の薬指にオープンハートの指輪をつけてくれた。


穂香「えっ?えっ?オープンハートの指輪、可愛すぎっ!!あっ……何?どういうこと?」


突然の事に困惑する穂香は、航太を見たり写真を撮ってくれた保護者を見たり。


航太「穂香ちゃんに似合うかなぁ?って思って……気に入ってくれたかな?」


穂香「う……うん……ずっとずっと大切にする……」


保護者から返されたスマホの写真は、卒業式の看板をバックに、まるで結婚式の新郎新婦の指輪交換のような写真が出来上がった。


航太はその写真を見て、幸せそうに笑う。


航太「穂香ちゃんの顔がビックリしてる」


穂香「当たり前じゃんっ!!誰だってビックリするよ~」


卒業生や保護者が行き交う中で、じゃれ会う二人。


穂香「もうっ!!心の準備とかあるじゃんっ!!誰が卒業生の看板の前で、指輪を渡されるかも?って思うわけーっ!?」


航太「そんなに怒らなくてもいいじゃん……せっかく喜んでくれると思ったのに……」


少し困ったように呟く航太に寄り添う穂香。


穂香「嬉しいよ?嬉しいけど……」


航太は卒業生が看板の前で撮影してる隣で、突然こんな事を言ってきた。


航太「夏には日本に帰ってくるから、付き合ってほしい」


穂香「えっ?はっ……?はい……」


穂香(なんで人がいっぱいいるのに告白?
リュウさんみたいに二人きりで夜景を見ながらとか、二人きりの木の下とか、いい雰囲気の場所が良かったのにっ!!
急すぎて変な返事になっちゃったし。
もっと可愛い返事あるでしょ!?
は……はい……っ!!じゃないっ!!
もうーっ!!思ってたのと違うんだがーーーっ!!)



二人が今度会えるのは、航太が卒業した後の暑い夏。

卒業式の看板の前じゃなく、結婚式場で二人が指輪交換するのはもう少し先の未来……。



穂香、航太「いつまでも一緒にいようね」



(第13章~いつまでも二人で~。終了)