──────ギュッと。



初めて自分からも、水樹くんに抱きついてみた。



抱きついた水樹くんは、
やっぱり暖かくて、安心する。



いつも、いつも、素直になれないけど。



寝ている水樹くんが前にいると、
むしろ、素直になれたような気がした瞬間。



「ん......、小波?」



目をこすりながら、
お目覚めの様子の水樹くんの顔。



(やっ、やばいっ‼︎水樹くんにバレた!)



そう思って、離れようとしたとき。



「............なに、可愛いことしてんの、」



水樹くんは、
急に顔を隠してから、くるりと反対側を向いた。



つまり............壁の方を向いてしまった。