「2人にとって、それはとても嬉しいことでした。好きなことを仕事に出来て、2人の作品を好きでいてくれる。そのことを考えただけで、2人は幸せな気持ちになりました。しかし、そんな幸せは長くは続きませんでした」
メルと交互で作品を暗唱してると、リオンは「……さっきから、2人は何を言っているんだ?」と声に出した。
「……これは、この本の世界とはまた別の、前世の僕と前世のメルで作った実話をもとにした話だよ」
僕がそう言って微笑むと、メル以外の皆は驚いた顔をする。
「……今だから言えるんだけど、僕は……いや、前世の僕は、両親から愛されなかった。両親は、仕事のストレスを全部僕にぶつけて来たんだ。僕は、いつしか笑顔を取り繕うようになった……辛くても、苦しくても、誰にも助けを求めることが出来なかった……」
僕は一旦言葉を区切ると、一呼吸置いてから話を続けた。
「ある日、前世からの幼なじみのメルも僕と似た環境で過ごしてたことを知って、いつしか僕とメルは親友とも呼べる存在となっていたんだ……家での生活は苦しかったけど、メルがいたから20歳まで生きられた。気が付いたら、僕は小説家に、メルは詩人になっていた……高校を卒業して、親元を離れて、それなりに充実した毎日を送っていた……だけど……」
メルと交互で作品を暗唱してると、リオンは「……さっきから、2人は何を言っているんだ?」と声に出した。
「……これは、この本の世界とはまた別の、前世の僕と前世のメルで作った実話をもとにした話だよ」
僕がそう言って微笑むと、メル以外の皆は驚いた顔をする。
「……今だから言えるんだけど、僕は……いや、前世の僕は、両親から愛されなかった。両親は、仕事のストレスを全部僕にぶつけて来たんだ。僕は、いつしか笑顔を取り繕うようになった……辛くても、苦しくても、誰にも助けを求めることが出来なかった……」
僕は一旦言葉を区切ると、一呼吸置いてから話を続けた。
「ある日、前世からの幼なじみのメルも僕と似た環境で過ごしてたことを知って、いつしか僕とメルは親友とも呼べる存在となっていたんだ……家での生活は苦しかったけど、メルがいたから20歳まで生きられた。気が付いたら、僕は小説家に、メルは詩人になっていた……高校を卒業して、親元を離れて、それなりに充実した毎日を送っていた……だけど……」



