聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



夏樹は美桜と手を繋いだまま、店の中へ入った。
店内は美桜達以外に誰もいない。


「きれーい」


久しぶりに見た雑貨達に美桜が興奮していると、夏樹が「どんなのが好みなの?」と聞いてきた。


「そうですね…。どれも可愛いので、いいなぁって思いますけど、せっかくなら、ずっと身につけておけるのがいいですよね。」


美桜が雑貨を全体的に眺めながらそう答えると、ちょうど目についたものの方に歩み寄った。夏樹は手を離すことなくそのまま美桜についていく。


「これ可愛い!」


美桜が手に取ったのは、桜モチーフのチャームだった。
白ベースの桜を象った中に、ゴールドの花びらが数枚描かれている、シンプルなデザインチャームだ。