聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



次の授業を終えて休み時間に入ると、4人はさっそく3年生の教室に向かった。


3―2のクラスの窓から、芽唯がひょっこり顔をのぞかせ、兄を探す。


クラスの男子達は、そんな芽唯をチラチラと見て「かわいくね?」と囁き合っていた。


芽唯ははっきりした顔立ちに、ゆるパーマをかけた長い髪が似合う、言わば美少女だった。
囁かれるのも頷ける。


「あ、いたいた!おにーちゃーん!」


芽唯はそんな先輩達からの目線を気にも留めていない様子で、ブンブンと手を振って兄を呼ぶ。


芽唯を見つけた兄は、目尻を下げて近づいてきた。


「芽唯〜なんだよ急に来たりして。俺に会いに来たのか?」


…どうやら芽唯の兄はシスコンのようだ。


美桜達に気付くとペコリと頭を下げる。


慌てて美桜達もペコリと頭を下げた。