驚きを隠せない3人を、気にも止めていない様子の夏樹は、美桜と菜々に向かって「せっかくだから隣に座らせて。」と言って、美桜の隣にある椅子に腰掛けた。
「お、おいおい、夏樹!いいのかよ、二人の邪魔して。」
矢嶋が焦った様子で尋ねたが、夏樹は「いいだろ、別に。な?」
と言って、美桜の顔を見る。
「そ、そうですね…。」
と、美桜はやや押され気味な雰囲気を醸し出しながら同意した。
夏樹の話を聞かれたことを考えるとかなり気まずいが、そもそもこの場を設けた目的は、菜々と矢嶋を引き合わせることなのだから、仕方ない。
「隣、いいかな?」
矢嶋が優しい口調で菜々に尋ねた。若干、顔が赤くなっている気がしなくもないが、日焼けをしているせいなのか、よく分からない。



