聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



「うーん、そうなのかなぁ?」


美桜が首を傾げると、菜々はうんうん、と力強く頷いた。


「そうだよ!話し方とか少しチャラいって思うところもあるかもしれないけど、根は真面目なんじゃないかなぁ。もう少し、先輩のいいところに目を向けてみてよ。美桜ちゃんが昔、いいなって思ったくらいなんだもん。堀越先輩、絶対にいい人に決まってるよ!美桜ちゃんの、男を見る目に自信を持っていいと思う!」


「な、ななちん…」


本人よりも自分のことを肯定し、信じてくれる親友の言葉に、美桜は感激した。菜々は更に言葉を続ける。


「堀越先輩は、美桜ちゃんのこと、いいと思ってるんじゃないかなぁ。じゃないと放課後デートとか誘わないと思う。美桜ちゃんは、そう思わない?」


「んー…」


「そうそう、俺はいいと思ってるんだけどなぁ。これが全然伝わんなくてさ。」