聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



『もうちょいで駅につく』


夏樹からだ。美桜はササッと画面を開き『2階にいます!』と送った。


「美桜ちゃーん?もしかして堀越先輩から?」


美桜が顔を上げると菜々がにんまりしてこっちを見ている。


「ま、まさか!えっと、お母さんから、何時に帰ってくるの?っていう連絡。」


「なーんだ。」


菜々は今回は信じてくれたようだ。


なんとか乗り切った美桜はスマホをバッグにしまう。


すると、菜々が身を乗り出してきた。