カシャン 突然、目の前の金網にサッカーボールが当たり、金網の向こう側へ転がっていった。 すると男子生徒がそのボールを取りに走って来た。 「あ、相良くん。」 美桜が呟くと、相良も気付いていたようで、にっこり笑うと、こっちに向かって手を振ってきた。 ――え? 横を見ると、菜々が手を振り返している。 相良はもう一度爽やかな笑顔を向けた後、ボールを思いっきり蹴ってサッカー仲間の方へ戻すと、相良自身も走って戻っていった。