「ちなみに、その人の写真ありますか?見てみたいです。」
「おー、そっか。ちょっと待ってな。」
そう言うと夏樹もスマホを取り出し、写真を探し始めた。
「あったあった。コイツ。名前は矢嶋博孝。」
そう言うと、写真を拡大してから美桜にスマホの画面を向け、テーブルの上に置いた。
「あれっ、矢嶋先輩も陸上部なんですか?」
写真が大会後の集合写真のようだったので尋ねてみた。
「そうそう。あいつは短距離走の方だけどな。あいつもこの前の地区大会で入賞してたから結構すごいぞ。」
「へぇ…」
もう一度、美桜はスマホを覗き込んだ。
なかなか爽やかで好青年感がある。



