聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



「えっと、どの子だったんでしょうか?髪短いか長いかで言うと、どっちだったか分かります?」


「えっと黒髪ボブの子。」


「あ、ななちんのことかな。」


そう言うと、美桜はスマホを取り出し、菜々と2人で写っている写真を見せた。


「この子ですか?」


「あー、そうそう。その子。名前なんていうの?」


「橋本菜々ちゃんです。私とは中学校からの仲良しで。」


「そっか!じゃあ話が早いな。」


そう言うと、夏樹は身を乗り出してきた。


「今度さ、どこかの店で偶然会ったようにして2人が話す機会を一緒に作りたいんだ。レースちゃん協力してくれる?」


「もちろん!喜んで。」


「よかった。ありがとうな。」


そう言うと夏樹はホッとした表情を見せた。