「…本題、なんだけどさ。今日したかった話。」
夏樹がそう切り出したので、美桜はムースを食べる手を止めて、顔を上げて夏樹を見た。
夏樹がまたコーヒーを口に運びながら、話し始めた。
「ちょっと協力してもらえないかなと思って。」
「協力?」
美桜が聞き返すと、夏樹は「うん」と言って、コーヒーカップをソーサーに置いた。
「この前、俺たちの教室に4人で来ただろ?その時にレースちゃんと一緒にいた子に、俺の親友が一目惚れしたらしくて。」
「え!?」
「びっくりするよな。俺も驚いたよ。あんまり一目惚れとかするタイプの奴じゃないから。で、よかったらレースちゃんにも協力してもらって、2人が話す機会を作れないかなと。」
――なるほど。



