聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



美桜が部屋に入ると、白い4人がけテーブルが置いてある大きなガラス窓のある空間だった。


はめ込み式の大きな窓のむこうには小さな中庭が見え、色とりどりの花が咲いていた。


「きれい…」


美桜は部屋に入り、椅子に座った。


はめ込み式の窓の上には風を取り込むための横長な窓があり、少し開けてあった。そこから吹き込む風がとても心地よい。


「おまたせ。」


夏樹が両手でトレーを抱えて入ってきた。
一旦テーブルにトレーを載せ、ドアを閉めると「どう?いいとこだろ、俺の秘密の場所」と言った。


「すごく素敵です。」


美桜がにっこり笑って素直にそう言うと、夏樹は少し照れたような顔をしたが、すぐにニヤッと笑い、「だよな」と言った。


夏樹が椅子に腰かけるまでに、美桜は先ほど運ばれてきたデザートと紅茶、コーヒーを並べた。