聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



――まさかの親戚登場…!


「あ、あのっ、工藤美桜と申します。よろしくお願いします!」


ペコッと頭を下げると「うん、よろしく〜」と遥は緩く返事を返す。


「遥さん、桃のやつ、まだある?」


夏樹がそう尋ねると、遥は「うん。あと2個あるよー」と言って、ショーケースの中を指差した。


夏樹がショーケースに近づいたので、美桜も続いてショーケースの中を見る。


手描きのポップで描かれたケーキの名前が6つあり、どれもあと1、2個しか残ってなかった。