聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



学校の最寄り駅から3駅目で2人は降りた。


改札をくぐると、夏樹は「あ、そこそこ。」と言って指差す。


見ると、駅前すぐのところに、ホワイトが基調の、こじんまりとしたカフェがあった。


「わぁ!かわいい〜おしゃれ〜」


店の方へ歩きながら美桜がそう言うと、夏樹はニヤっと笑い「そうだろ?」と言った。


店の前に着くと、夏樹がドアを開けてくれたので、美桜はそのまま中に入る。


ドアが開くと同時に鳴る、チリンチリンという、かわいい鈴の音。


店内のカフェスペースには2、3組の女性客が座って談笑していた。


ドアの鈴の音を聞きつけ、店の奥からきれいな女性が出てきた。