「はっちゃけるのはいいけどさ、スカートのジッパー開いてるぜ。」
美桜はハッとして腰元を見た。さっきまでは制服のジャケットで隠れていたのだろう。確かにジッパーが開いていた。
美桜が左拳を振り上げた時にジャケットが持ち上がり、スカートのジッパーが開いているのが見えたようだ。
美桜は顔が火照るのを感じながら慌ててジッパーを引き上げた。
「あ、ありがとうございま―――」
「ピンクのレースか。いいセンスだな。」
メッシュ入り男はサラリとそうコメントすると、スタスタと校舎の方へ向かっていった。
「なっ…!!!」
美桜はますます真っ赤になって、言葉を失ってその場で固まってしまった。
今日の美桜は、ピンクのレースパンツを履いていた。
ジッパーの隙間からそれが見えてしまったようだ。
「わぁ、ごめんね美桜ちゃん。私が先に気づいていれば…」
そう謝る菜々の横で、美桜は恥ずかしさを通り越して怒りが湧いてきた。
「ちょっと何あの男!!一言余計なのよ!やっぱりチャラ男はデリカシーないわね!!」
はっずかし!!と言って美桜が一人でプンプンしながら校舎に向かう横で、菜々はどうやって美桜をフォローしようかと、一人であわあわしていた。



