聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



「じゃあ先輩も電車通学ですか?」


「いや、家と最寄り駅の間が離れてるから、いつもは自転車で登校してる。試合前は、たまに走って登下校してるよ。」


「走って!?どのくらい時間かかるんですか?」


「20分くらい。でもまあ、自転車で行く時と大差は変わらないかな。」


「へぇ…」


――そうなんだ。自転車と同じ速度で走ってるのね。流石。


「本町からなら、電車使ってトータル30分くらいで学校に着く?」


「そうですね。私も自転車通学とどっちにしようか悩んだんですけど、結局電車にしました。自転車だと雨の日が大変なので。」


「あー、確かに。レインコート来て雨の中運転するの、結構大変だもんなー。」


夏樹の言葉に、美桜はコクコクと頷いた。