ついに金曜日の放課後になった。 美桜はソワソワしながら駅の改札付近で夏樹を待つ。 放課後のことが気になりすぎて、午後からの授業はちっとも集中できなかった。 しばらくすると、夏樹の姿が見えた。 美桜を見つけると、手を挙げて駆け寄ってくる。 美桜も思わず手を振り返しながら、夏樹の姿をぼんやり目で追った。 ーーなにこれー。なんだか付き合ってるみたーーい。 ーー…いやいや!付き合ってない、付き合ってない! 一人、脳内でノリツッコミをしたところで、夏樹が美桜の目の前に到着した。