聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



次の日、スマホのアラームで目が覚めた。


ガバッと起き上がるとアラームを消し、すぐに、矢嶋にメッセージを送っていたことを思い出した。


スマホの通知ランプが光っている。


ドキドキしながらラインの画面を開く。


が、新着のニュース記事が1件、届いているだけだった。


『ハルミチ、人気アイドルまおと結婚!!』


そんな文字が大きく表示されていた。


矢嶋からのメッセージではないかと期待していただけに、少しヘコんだ。


――昨日送ったメッセージ、既読になってるかな…?


トーク画面を開いたが、既読になってなかった。


心臓が妙に脈打つ。


――きっと忙しいだけだよね…?


そう思いながらも、その日は一日中ずっと気になって、こまめに矢嶋とのトーク画面を開いては既読になっていないか確認した。


しかし、その日の晩になっても既読にならなかった。


その次の日も、その次も…。


結局、メッセージはずっと既読がつかないまま、1週間経ってしまった。


どう考えても、こんなにメッセージが読まれないのはおかしい。


――未読スルー?もしかしてブロックされた?


この事実、どう捉えようとしても、いい方向の解釈はできなかった。