聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!


「矢嶋先輩は何色が好きですか?」


「そうだなぁ。俺も黄色は好きだな。あとは緑とか青とか。」


「黄色、緑、青…。」


そう呟きながら菜々はブレスレットを眺めた。


「お、こんなのどう?」


そう言うと、矢嶋はシルバーの鎖に黄色のコードを合わせてあるブレスレットを菜々に見せた。黄色いコードの所々にキラキラ光るビーズが通してあった。


「わ!かわいい〜!」


「そ?じゃあこれ俺からプレゼントしてもいい?」


「え!?いいんですか?」


菜々が驚いていると、矢嶋はにっこり笑った。


「うん。よかったらプレゼントさせて。」


そう言うと、矢嶋は店員にお金を払い、タグだけ切ってもらったブレスレットを受け取る。