花火大会当日。


菜々は美桜の家に来て、一緒に着付けをしていた。


美桜の母親に手伝ってもらいながら、浴衣を身に着けた菜々と美桜は、化粧とヘアアレンジをしているところだ。


「美桜ちゃん、私、変じゃないかな?」


「ぜーんぜん!かわいいよー!」


「そ、そう?」


慣れない化粧をして、ちょっと落ち着かない。


美桜は母親に髪のセットをしてもらっている。


「はい!かんせーい!2人共、いい感じよ〜」


美桜の母親が、堪らないといった感じで親指を立てて嬉しそうにしている。


「これで夏樹君も、美桜に惚れ直すわね!!」


「もー、お母さん、そういうのやめて!恥ずかしいからっ」


そんな2人のやり取りを、菜々は微笑みながら見つめていた。