菜々自身、2人にどうなって欲しいと願っていたかは分からない。


でも少なくとも、神崎が晴れやかな表情をしているのだから、この選択で間違ってはいないのだろうと感じた。


「あの、星原先輩は…?」


「大丈夫じゃない?ほら。」


そう言って後ろを向いて指さした先には、部員とモリセンに混ざって、バーベキューの準備をする星原の姿が見えた。


「ま、お互い泣いたけど、付き合うなら、やっぱり気持ちよくスタートしたいじゃん?だからいいんだよ、これで。変わらず応援はするし、先輩のこと。」


神崎は自分をまだ心配そうに見つめる菜々を見て、にっこりと笑いかけ、言葉を続けた。


「橋本ちゃんも、これから色々悩むかもしれないけど、後悔しない選択をしてね!」


そう言った神崎の目元は、まだ少し赤かった。