『好きだけど、仕方ないよ。付き合わないのが、今の私達にとっては良い選択肢なんだと思ってるの。もし縁があれば、お互いに落ち着いた頃に付き合えるよ、きっと。』
そう言って、菜々の方へ少し顔を傾けて、神崎は言葉を続けた。
『ホントはね、去年、告白しようかなって思った時期があって。その時に気持ちを伝えておけばよかったなって、そっちの方が後悔してるの。…恋愛って難しいよね。』
そう言うと、神崎は力なく微笑んだ。
『橋本ちゃんは、後悔のないようにね。私みたいになって欲しくないから。』
菜々は、返す言葉が見つからなかった。
その後、神崎から『寝よっか!話聞いてくれてありがとうね。』と言われ、菜々は眠りについたのだった。



