『ダメなの。付き合えない。』
『え!?どうしてですか?』
菜々が驚いて尋ねる。
神崎は、また涙を流しながら言った。
『だって…先輩、来週はインターハイだし、それ終わったら受験だし。私も来年受験だから、今のタイミングで付き合ったとしても、お互い彼氏彼女らしいことが満足にできないまま付き合うことになりそうだし。それで受験にも失敗したらって考えたら…付き合えないよ。』
『そんな…でも、人生1回ですよ?後悔しないようにした方が…』
菜々は、美桜や矢嶋に言われた言葉をふと思い出して、言ってみた。
しかし、神崎はふるふると頭を振る。
『人生1回だからこそ、だよ。今付き合った方が後悔しそうなの。星原先輩がまた、彼氏らしいことできなかったって悩むようなこと、したくないし。』
『そんな…。それじゃあ、神崎先輩の気持ちは…。』



