「じゃあ俺は何顔?」
星原が聞いて、菜々と神崎はうーん、と悩みこんだ。
「醤油、じゃないですか?」
菜々が言うと、星原は「そっかぁ。じゃあ俺は神崎の好みの顔ってことだな?」とニヤニヤしながら言った。
しかし、神崎は納得していない表情だ。
「いや、星原先輩は、どっちかと言うと、ソース寄りの醤油顔?なんなら醤油寄りのソース?」
「俺、そんなに顔濃い印象!?」
「まぁ、少なくとも塩ではないですね。」
神崎がはっきりそう言うと、星原は「えー?」とあまり納得していない様子だ。
「え!?じゃあオレは?オレ!」
やり取りに入るタイミングを狙っていた福井が、前のめり気味で聞く。
菜々がうーんと言って悩んでいる横で、神崎は、閃いたように、あっ!と言って答えた。
「福井君は、酢かな!いや、でもどっちかと言うと…酢の物?」
「なんで俺だけ料理名なんすか!?」
わざと後ろにひっくり返る福井を見て、菜々、神崎、星原は大笑いした。



