聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



その日の夜。


風呂で汗を流した後、大広間で全員で夕食をとった。
練習の疲れはあるものの、合宿といういつもと違う雰囲気に、皆テンションが上がりっぱなしだ。


菜々は神崎と夕食を食べながらドラマの話で盛り上がっていた。


「先月始まった『ノット・クロス』は、観た?」


「観ました〜!好きな俳優さん出てるので、あれは毎週チェックしてます。」


「そうなんだ!橋本ちゃん、誰が好きなの?」


「ハルミチくんです。」


「ハルミチかぁ〜!橋本ちゃんはそっち派なワケね!」


「神崎先輩は違うんですか?」


「私はケイタ派なんだよね〜。」


「ケイタくん!てことは、醤油顔がお好きで?」


「そうねー、あっさりしすぎてるよりかは。橋本ちゃんはハルミチなら、砂糖顔が好みって感じ?」


「なんですか、砂糖顔って笑」


「知らないの!?最近は砂糖とかマヨネーズとか色々でてきてるらしくてさ…」