途中のパーキングエリアで休憩をし、もう片方のバスに乗り込むと、待ってましたと言わんばかりの歓声と拍手が飛び交った。
結局、恋バナなど落ち着いてできるはずもなく。
行きのバスの中では部員達とゲームをしたり、歌を歌ったりして盛り上がった。
――相良君と離れちゃったな。
この残念に思う気持ちが『好き』ということなのだろうか。
――恋愛って、難しいな。
ワイワイ盛り上がる中、菜々は頭の隅で、相良と目が合った時の彼の笑顔を思い出しては、ドキドキしていた。
合宿施設についたらすぐに、部員全員でバスから荷物をおろし、それが終わると、各々荷物を持って部屋へ向かった。
「あ、マネージャー2人は2階の部屋な。男どもは全員1階の広間で雑魚寝だ。」
「マジか~!マネージャーとおんなじ部屋で寝れると思ったのにー」
「んなわけねーだろーが。」
部員から笑い声と共に上がった冗談を、モリセンがピシャリと切り捨てた。



