荷物を積み終わり、2台のバスに分かれて乗り込む。


「橋本ちゃんと神崎は分かれて乗れよ~!」


「え!?なんでなんで??」


神崎が、部員の声に反応して尋ねる。すると、他の部員が声を上げた。


「だってさ、片方のバスに2人乗ったら、もう一台のバスが、さみしーだろ?男だけになってさあ!」


「は!?むさくるしい中、女一人とか絶対嫌だし!それに私、橋本ちゃんと一緒に乗っていきたい!」


「つれねー、神崎!」
「ずりーぞ!橋本ちゃん独り占めすんなー!」


こんなやり取りを、あははっと笑いながら、菜々は他のメンバーと一緒に聞いていた。