聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



「ほら、好きだったらさ、2人で話したいなーとか、デートしたいなーとか、思うでしょ?そういうの、ないの?」


「2人で…話すのは楽しいですね。デート…は、考えたことなかったなあ。」


菜々がそう言うと、矢嶋はまた、あははっと笑った。


「控えめだなあ。そういうとこ、橋本ちゃんのいいとこだと思うけど、もっとこう、欲を出していいと思うよ?」


「欲…?」


「そ。絶対この人の彼女になりたい!なるんだ!っていう欲。そのくらい思って行動しても、橋本ちゃんならちょうどいいくらいかも。相手も悪くは思わないんじゃないかなー。」


「そ、そうでしょうか…。」