「仲良いよな、あの2人。」 いつの間にか菜々の横に来ていた矢嶋が、菜々に話しかける。 「そうですね。幸せそう。」 菜々も、美桜と夏樹の2人を見つめながらそう言った。 「橋本ちゃんは?彼氏つくんないの?」 浮き輪に体を通している菜々を、矢嶋が浮き輪を引いてリードしながら尋ねる。 「彼氏…?」 「ほら、サッカー部にいるんでしょ?好きな人が。」 「好き…なんでしょうか。自分でもよく分からなくて。」 「分からないってどういうこと?」 矢嶋は、あははっと笑ってから言葉を続ける。