「橋本!マジでごめん!大丈夫?」 そう言って走ってきたのは、さっきの女子集団の中でも話題に上がっていた、美桜達と同じクラスの相良蒼汰だった。 キーパーをやっていたようで、グローブを手につけている。 「う、うん。大丈夫…」 菜々はそう言って立ち上がった。 が、右手の薬指と小指が上手く動かないようだ。 「わ!まずいな、突き指かも」 そう言うと相良は「見せて」と言って菜々の手を取った。 菜々はというと、男子にあまり慣れてないせいか、顔が僅かに赤くなっている。