口々に菜々の仕事っぷりを褒める諸先輩達。話の輪の中に入っていた相良は、得意気な顔をしている。
「でしょ？橋本なら、絶対にいい仕事してくれると思って。ダメ元で言ってみたらソッコーＯＫしてくれたんで、ホントよかったですよ。」
相良は先輩達に向かってそう言うと、菜々の方を見て「ありがとな、橋本」と言った。
菜々は褒められた恥ずかしさで、少し頬を染めたまま、コクコクと頷いた。
相良に誘われたからという理由で始めたマネージャー業ではあったが、最近はしっかり板についてきた。
ーー勢いで返事したとは言え、サッカー部のマネージャーやってみてよかった。
運動が得意ではない菜々は、今まで勉強ばかりしてきていた。
今では勉強以外の楽しさを見出すことができ、以前より充実感をもって日々過ごせている。
