夏樹は驚いた表情で、ベンチに座ったまま美桜を見上げている。
――ここまで来たら、いっそ、思ってること全部言っちゃえ。
そう思った美桜は、夏樹と目線を合わせたまま、涙ながらに言った。
「もう、やめてください!先輩、チャラいんですよ!女子が喜ぶこと、すぐするじゃないですか。ホント、そういうとこ、チャラい。」
美桜は涙を拭って言葉を続けた。
「私の事、好きでもないくせに、手を握ったり、名前で呼んだり、誕生日プレゼント買ったり、私のこといいなって思ってるって言ったり…!」
呼吸を整えると、美桜は最後にこう言った。
「ぜんぶっ…全部が……堀越先輩のこと、好きって気持ちにさせるんです!」



