聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!



『…何?泣いてるの?』


美桜の嗚咽が聞こえたようで、夏樹がそう言った。


『今からそっち行くから。そのまま起きて待ってろ。』


そして通話は切れた。


――こっちに来る!?今から会うってこと?


ふと机の上の鏡を見てみる。


――やば、昨日お風呂も入ってないし!!


急いでシャワーを浴びに、浴室へ向かう。


超特急で準備をし、とりあえずスキニーパンツにTシャツ、薄手のパーカーを羽織ったところで夏樹からメッセージが入った。